優勝&CS争いにも影響 ペナント終盤に救援陣がフル回転できそうな球団は?

救援投手陣を優勝争い、CS争いに生かすことができそうな球団

20150827_FC043_004re
救援登板数の多い投手(パ・リーグ)

 個別の投手では西武の増田達至と武隈祥太、高橋朋己の3投手がかなりタフな登板を重ねている。西武と3位を争うロッテも大谷智久と西野勇士が15傑に入っているが、西武に比べ負荷は分散できていそうだ。

 楽天も福山博之、青山浩二、松井裕樹、武藤好貴の4投手がよく稼働しており、松井と武藤は球数ではパの1位と3位になっている。楽天の救援投手陣はここまで奮闘してきたが、この負荷の影響が来季以降どう出るかも注意したい点ではある。

 あくまで現状を基準に大きなトラブルがなかったと仮定した場合だが、今後激しい順位争いが見られそうなのは、セ・リーグの優勝争い(阪神とヤクルト、巨人)、セ・パのクライマックスシリーズ出場権争い(ヤクルトと巨人、広島、西武とロッテ)ということになるだろう。

 救援投手への負荷という部分にフォーカスするなら、セの優勝争いではここまでベテランへの負荷がかかっている阪神、全般的に稼働してきたヤクルトよりは巨人がやや有利か。CS争いでも巨人が少し抜け、負荷はかかっているが高いパフォーマンスを維持してきたヤクルトと、先発投手陣と比べると少し見劣りするもののここまでの稼働量が限定的な広島は、イーブンといったところか。

 パのCS争いに臨む西武は、ここまで救援陣にかなりの負荷がかかっており、大型連敗の誘因ともなった。主力救援投手の絶対的な稼働量が高くパフォーマンスを取り戻すのは少し厳しいかもしれない。一方のロッテは西武に比べれば負荷はかかっていない。救援投手陣の余力という点では、やや分がありそうだ。(数字は8月23日現在)

【了】

DELTA●文 text by DELTA

DELTA プロフィール

DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える セイバーメトリクス・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『Delta’s Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。最新刊『セイバーメトリクス・リポート4』を3月27日に発売。http://www.deltacreative.jp

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY