Dバックスが日本人獲得を熱望するワケ 「ノモのインパクトを覚えている」

黒田、和田、田中の獲得にも動いたDバックス

 バスケットボールの「神様」で、当時NBAシカゴ・ブルズのスーパースターだったジョーダン氏よりも、野茂氏のアメリカでの人気は絶大だったと振り返る。そして、野茂フィーバーの成功体験が日本への愛情と日本人獲得への熱意につながっている。2012年に斎藤隆投手を獲得したDバックスは、かつて日本人投手獲得に何度も動いたという。

「我々は黒田さんも獲得しようとしたんですよ。彼がフリーエージェントになった5シーズン前ですね。黒田が欲しかった。我々はその時、獲得まであと少しだったと思います」

 2011年オフにドジャースからFAとなり、ヤンキースに移籍した黒田博樹投手(現広島)の獲得にダイヤモンドバックスは動いた。現カブスの和田毅投手獲得も検討。そして、2014年シーズン開幕前にはヤンキースの田中将大投手の争奪戦にも参戦している。

「我々は猛プッシュしました。なぜなら彼はインパクトをもたらす投手だと評価したからです。我々のチームで貢献できる選手だと信じて、攻勢をかけました。我々はギリギリの選択肢に残っていたと、人づてに聞きました。ヤンキースの次です。我々がいかにアグレッシブだったかというのはオファー内容でも分かると思いますけど、ダイヤモンドバックスがいかに日本を愛しているのか、をとにかく伝えようとしました」

 黒田、田中の争奪戦で、圧倒的な資金力を誇るヤンキースに2度挑み、惜しくも敗れた。しかし、ホール球団社長は「インパクトのある日本人選手をロースターに加えること。それが我々の夢なんです」と語る。近い将来に起こるであろう前田、そして、大谷の争奪戦を制することで、その悲願を実現するつもりだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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