ソフトバンクVS日本ハムの首位攻防 直接対決の勝敗を分けたのは…

緊迫した展開で浮き彫りとなった四球の重要性

 武田翔太からバトンを受けた2番手の森唯斗が代打の大谷翔平、西川遥輝に連続四球を与えてしまう。中島卓也の左前打で満塁とされると、田中賢介に中前へ2点適時打を浴び、2点差に迫られる。投入されたサファテも流れを止めきれず、近藤健介、代打の中田翔に連続適時打を浴びて同点とされた。

 この試合、これだけでは終わらなかった。直後のソフトバンクの攻撃。先頭の今宮健太が代わったばかりの谷元圭介から左前打を放って出塁すると、打席には1打席目に本塁打を放っている柳田。球界きっての強打者に対しては、日本ハムバッテリーも慎重にならざるを得なかったのだろう。1球もストライクを取れないまま、ストレートの四球を出してしまった。

 無死1、2塁のチャンスを作ったソフトバンクは、内川聖一が空振り三振に倒れたものの、李大浩の遊撃内野安打で1死満塁とすると、松田の遊ゴロ併殺崩れの間に決勝点を挙げた。今宮の左前打、そして柳田の四球で日本ハムバッテリーが追い込まれていった。

「昨日も、今日も四球が起点になっている」

 29日の試合後、工藤監督はこう振り返っている。初戦の2回に中田賢一がレアードに浴びた逆転2ランも、発端は近藤健介への四球だった。パ・リーグ1位、2位の直接対決で見えた四球の重要性。たかが四球、されど四球。拮抗した試合でこそ、勝負を分けるポイントになるだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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