【U-18野球W杯】初の世界一へ、4番・清宮は復活できるか “怪物”が抱える問題点とは?

今大会苦しんできたスーパー1年生、問題は相手投手のレベルではなく「清宮自身」に

 高校日本代表に1年生でただ一人選ばれ、U-18ワールドカップで4番を任されている早実の清宮幸太郎が、久々に快音を響かせた。4日の韓国戦では、今大会初のマルチ安打をマーク。5点リードの5回無死一、二塁の好機で中前打を放ち、中堅手の失策も重なって大きな追加点をもたらした。続く6回もボテボテのゴロがショートへの内野安打に。復活の兆しが見え、運気も上向いてきたようだ。

 ただ、夏の甲子園のような豪快な打撃はまだ出ていない。今大会は初戦のブラジル戦で1安打2打点2四球と存在感を見せたものの、その後は当たりが止まった。チェコ戦は左膝の違和感で途中交代し、メキシコ戦は欠場。3日のカナダ戦で復帰したものの、3打数無安打2三振に終わり、下を向いてベンチに戻ることが多かった。

 この夏、確かな実力を見せてきた“怪物”は、なぜ苦しんでいるのか。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏は「右の壁が完全に崩れてしまっている。もちろん、レベルは違いますが、今の阪神のゴメスと同じようなことで清宮くんも悩んでいると思います。軸足(左足)に体重を残して回ろうとしてるんでしょうけど、あれではヒットを打てないどころか(ボールに)当たらないですね」と指摘する。

「相手投手のレベルがどうというよりも、清宮君自身の問題です」

 1年生の清宮にハイレベルな投手を打つ実力がないということではなく、打撃の状態が崩れていることが最大の問題だという。

 左膝を痛めたことが影響しているのか。野口氏は「そういう問題ではない」と説明する。むしろ、打撃に問題があるからこそ、清宮は左膝に違和感を覚えた可能性が高いという。

「右膝が痛くて体重を乗せられないから、ああいう打ち方になってしまうのなら分かります。でも、左膝の違和感は関係ありません。あの打ち方は、左膝のせいではないです。逆に、体重が左膝に乗りすぎて、体が流れてしまっているから、おかしくなっている。技術の問題です。むしろ、打ち方が悪いから、左膝に負担がかかってるかもしれない」

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