ジョニー黒木が語る斎藤佑樹の「ボール1個」の進化

斎藤佑の状態がいい時の真っすぐとは…

――リリースの瞬間から打者まで速く球がいくと、どのような効果があるか?

「打者がボールに差し込まれやすくなります。その真っすぐに加え、フォークの精度が上がってきた。打者の虚を突くような投球が出来ていることが、好投の1つの要因だと思います」

――16日の直球最速は142キロと決して速くなかった。プレートからホームベースまでの18・44メートルをうまく使っていると言うことか?

「はい。いくら160キロの球を投げていても、リリースが(顔の頭上を指して)ここだっ たら、打者はボールを長く見られる。140キロの球でも(顔の前方をさして)ここだったら、打者が見る時間は短くなる。打者の感じ方も違うと思います。ボールを前に持っていって、強く、重たく、スピンの効いた球になっている」

――斎藤の状態がいい時の真っすぐとは、どう見えるのか?

「状態がいい時は(ベンチがある)横から見ていて、リリースポイントの下からボールが出ているように見えます。ロッテ戦ではコンスタントに、そう見える真っすぐが来ていた」

――前半戦中に中継ぎをプロで初めて経験。短いイニングで腕を振ろうとしたことが功を奏したのか?

「そこだけではないと思います。技術的なこともあると思います。ただ、(中継ぎから先発再転向して)明らかに変わったのが真っすぐの強さと、フォークの精度、落差が大きくなっていること。スライダーも以前より抜け球が少なくなった。ボールが変わったことで、配球の考え方も変わっていると思います」

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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