西武森本「ひちょりさんに回せ」の最終打席に涙 「もうちょっと野球が…」

8回の現役最終打席「『ひちょりさんに回せ』、その言葉に本当に感動しました」

 この日は8回、森に代わってライトの守備に就いた。そしてその裏、現役最終打席が回ってきた。

「8回の裏、あの、みんなのベンチでの『ひちょりさんに回せ』という、その言葉に本当に感動しました。この決断をするまでに最後の最後まで心に残ったのはみんなの顔でした。正直、みんなともうちょっと野球がしたかったです。

 みんなとの楽しかったことや悔しかったことはそれも良い経験として思い出となり、次の人生に活かしたいと思います。本当にありがとう!」

 8回は1番からの攻撃だったが、2安打と2四死球で打線つながり、7番・森本に打席が回ってきた。結果はサードゴロだったが、打席での最後の勇姿にスタジアムは温かい歓声に包まれた。34歳の外野手はその場面を、涙を浮かべながら振り返った。

「プロ野球選手としての森本稀哲としては今日でひとくくりですが、このプロ野球界で経験した楽しかったことや、悔いに残ったことは次の人生に活かし、また新たなスタートを切りたいと思っています。野球というスポーツに感謝! 17年間ありがとうございました!」

 1272試合で打率.259、積み上げた安打数は904。記録より記憶に残る、球界一のエンターテイナーは最後までファンに歓声を浴びながらユニホームを脱いだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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