挫折味わった“甲子園V投手”島袋、ホークスの1軍マウンドで示した可能性

「琉球トルネード」は健在、「いい回転がかかっていた」

「琉球トルネード」として甲子園を沸かせた島袋。そのフォームは今も健在で、持ち味は変則的な投球フォームから繰り出される真っすぐだ。

 前述のデスパイネの三振も、完全な高めのボール球にも関わらず、手を出してきた。ボールのキレが良く、身長172センチと上背が無い点からも、打者にはボールが浮いてくるようにも見えるのだろう。島袋自身も「ああいうボールで空振りとかファールが取れたのは、いい回転がかかっていたのかなと思います」と語っていた。

 9月29日の楽天戦では、1軍の選手として、初めて本拠地ヤフオクドームのマウンドを踏んだ(2軍戦でヤフオクドームは経験済みだった)。9回にマウンドに上がって、四球と安打で2死一、二塁のピンチを招いたが、無失点で切り抜けた。

 翌30日に、選手の入れ替えの関係で出場選手登録を抹消。10月3日にファーム日本選手権を戦う2軍へと戻っていった。だが、1軍登板の2試合で、その可能性は十二分に見せてくれた。島袋洋奨。挫折を味わった甲子園V投手が、プロ野球選手としての階段を上り始めた。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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