コリンズ監督の「我慢」実る 66歳の遅咲き指揮官、プレーオフデビュー

選手やフロントと衝突したことも

 選手起用に関しても大胆さと適材適所の采配で率いた。開幕直後、得点力不足が懸念だった打線を活性化させるために、2番に主力のデービッド・ライトを起用するとともに、投手を8番に置く打順も試したこともあった。

 最大の武器である先発陣は、右肘手術明けのマット・ハービー(13勝8敗、防御率2.71)、ジェイコブ・デグロム(14勝8敗、防御率2.54)、ノア・シンダガード(9勝7敗、防御率3.24)の若手や、42歳のバートロ・コロン(14勝13敗、防御率4.16)の健康を保つために夏場に先発6人制を導入。先発陣はシーズン通して活躍した。

 選手やフロントと衝突したこともあるコリンズに対しては、指揮官としての適性を疑問視する声が挙がったことはあったし、今季中も解任の噂が浮上した。だが、多くの関係者は彼の熱意ある指導力を評価しており、メジャーで少なくなったオールド・スクールタイプの監督だと言えるだろう。グランダーソンは「情熱が溢れており、先頭に立って指揮するタイプ。ニューヨークのファンは熱狂的だし、この街に合っている」と言う。

 9日(日本時間10日)からドジャースと地区シリーズを戦う。2006年以来のポストシーズンで、1986年以来遠ざかっているワールドシリーズ制覇にどこまで近づくことができるか。遅咲き監督の戦いが今、始まろうとしている。

【了】

伊武弘多●文 text by kouta Ibu

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