甲子園V投手に代表選手も…プロ志望届を提出しなかった注目選手は?

プロスカウトが高評価の大分商・森下も提出見送り、中京大中京・上野らも進学へ

〇高校生編

 将来有望な原石として、プロの注目も集めた今夏のU-18ワールドカップの高校日本代表を見てみると、メンバーの3年生19人のうち、提出しなかったのは10人。当初は社会人志望ながら翻意した秋田商・成田翔のようなタイプがいる一方、最後まで悩みながら見送ったといわれているのが、大分商・森下暢仁投手だ。

 甲子園での登板経験はないが、180センチから最速148キロの直球を繰り出す右腕。今夏の大分大会では、各球団のスカウトが大挙して九州まで渡り、注目度の高さをうかがわせた。W杯でもチェコ戦で7回12三振を奪い、勝利投手となるなど、3試合で10イニング無失点と完璧な内容だった。

 あるパ・リーグスカウトは「提出さえすれば2~3位の上位で消えていた」と評していたが、最終的に大学を経由してプロを目指す決断を下した。

 森下は東京六大学への進学が濃厚で、ほかにも常総学院・宇草孔基内野手、中京大中京・伊藤寛士捕手、天理・船曳海外野手、仙台育英・郡司裕也捕手も同じく六大学を希望しているという。また、中京大中京・上野翔太郎投手は東都大学が有力で、主将を務めた敦賀気比・篠原涼内野手は国公立大学に進む見込みだ。

 高校日本代表メンバー以外にも、提出しなかった好選手は多い。怪物1年生・清宮幸太郎とクリーンアップを組んだ早実の4番・加藤雅樹捕手はすでに早大への進学を表明。昨春センバツで準Vに貢献した履正社の大型187センチ右腕・永谷暢章、今春のセンバツで3ランを放った木更津総合・檜村篤史遊撃手、夏の甲子園に3年連続出場して投打で注目を浴びていた作新学院の主砲・朝山広憲なども提出しなかった。

 多くの選手は大学を経由し、4年後のプロ入りを目指すことになる。特に高卒選手はプロで芽が出なければ、同世代が大学を卒業するまでに球団を解雇されるようなこともあり、慎重になることも否めない。しかし、提出した者、提出しなかった者、それが「正しい選択だった」と将来言えるように、それぞれのステージでの飛躍を期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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