CSファイナルに間に合った―ヤクルトの「ラストピース」バレンティンが復活

悪癖修正に向けて特打志願、「CSでは何でもいいからチームに貢献したい」

 10日の同リーグ・阪神戦(西都)では3度の得点圏を含む4打数無安打。試合前に真中満監督からタイミングの取り方について指摘されたように、どうしても我慢しきれず、体が前に突っ込んでしまう場面が目立った。

 その悪癖を修正するために、試合後は居残りでの特打を志願。ボールをしっかり呼び込むことを意識しながら、118スイング。24本のサク越えを連発した。「しっかりスイングができたと思う」。翌11日の斗山戦での活躍につなげた。

 主砲の復活はチームにとって、とてつもなく大きい。今季はバレンティンが不在の間、2番・川端慎吾が首位打者、3番・山田哲人は本塁打王、4番・畠山和洋が打点王のタイトルを獲得する活躍を見せた。この3人でも十分に破壊力はあるが、ここに本調子のバレンティンが加わることで、相手に与えるプレッシャーは今まで以上に大きくなる。さらに長打のある雄平へと続いていく打線は、パ・リーグ覇者のソフトバンクにも見劣りしない。

 14日からのCSファイナルの相手は巨人に決まった。左アキレス腱手術からの復帰戦となった4月24日の巨人戦(神宮)で、左太もも肉離れで再離脱。そして再復帰となった9月18日の相手も巨人だった。今季は巨人とは切っては切り離せぬ縁がある。

「CSではベストを尽くすよ。ホームラン以外でも何でもいいから、チームに貢献したいんだ」

 さあ、準備は整った。ここまで迷惑をかけてきた主砲が、そのバットでチームを日本シリーズへと導く。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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