際立つ世代交代、年長上位8人が次々引退…2015年ユニホーム脱ぐ名手たち

2000本安打、通算打率3割を誇る好打者が相次いで引退

【和田一浩】西武-中日
1968試合2050安打、319本塁打、1081打点、打率.303

 通算打率3割超えの好打者は、まだまだやれそうなままユニホームを脱いだ。

 1996年ドラフト4位で西武に入団。捕手としての入団ながら打撃を買われ、野手に転向すると、2002年から3年連続30本塁打。2005年には首位打者を獲得するなど打線を牽引した。

 2007年オフにFA権を行使し、故郷である岐阜に近く、以前から愛着のあった中日に入団。新天地でも3年連続3割を記録し、2010年にはMVPに輝く活躍でチームを日本一に導いた。

 今年6月に2000本安打を達成。その後も50本のヒットを積み重ね、まだまだ代打としてなら十分にやれるという声も根強く残っている。だが、引退試合では「ドラゴンズファンに戻って、ドラゴンズの優勝を夢見ながら応援したい」と、ドラゴンズ愛を語った。

【谷佳知】オリックス-巨人-オリックス
1888試合1928安打、133本塁打、741打点、打率.297

 オリックスの谷は2000本安打目前で引退を決断した。

 1996年、ドラフト2位でオリックスに入団。1999年にはベストナイン、2001年にはシーズン最多二塁打52本の日本記録を樹立。2002年は盗塁王、02、03では2年連続でベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得するなどパ・リーグの顔の一人として活躍。

 巨人でも外野の一角として活躍したが、昨年に古巣オリックスに復帰していた。2000本安打にあと72本と迫りながらも、出場機会を掴むことが出来なかった42歳。それでも通算打率.297が好打者としての価値を証明している。

【小笠原道大】日本ハム-巨人-中日
1992試合2120安打、378本塁打、1169打点、打率.310

 球界一のフルスインガーも、チームメイトの和田とともに引退した。

 1996年にドラフト3位で日本ハムに入ると、3年目からレギュラーに定着。2002年からは2年連続首位打者で球界を代表する打者に成長し、チームが北海道移転後の2006年にはチームを日本一に導いて、MVPに輝いた。

 2007年から在籍した巨人でも4年連続3割をマークしたが、2011年から成績を落とし、ここ2年間は中日で代打の切り札として存在感を見せていた。

 また、阪神は19年間、サード、セカンドを中心に内野の万能プレイヤーとして活躍し、近年は代打の切り札として活躍していた関本賢太郎内野手が引退。また13日には藤井彰人捕手が引退を発表した。楽天時代には岩隈久志投手(現マリナーズ)の専属捕手としても活躍し、08年に最優秀バッテリー賞も受賞した。

 西武では小笠原らとともに2006年の日本ハム日本一に貢献した森本稀哲外野手が引退を表明。オリックスでは小柄ながらガッツ溢れるプレースタイルで人気を得ていた平野恵一内野手が現役を退いた。広島でも2008年、2009年にベストナインを受賞した東出輝裕内野手が引退を表明している。

 稀に見る大物の引退が相次いだ2015年だが、大谷翔平、藤浪晋太郎ら若き球界のエースたちの台頭を筆頭に、プロ野球は新たなスターが時代をつくっていくことが予想される。

 そして、現役を退いた名プレイヤーたちは今後も球界に携わるケースも多いだろう。新たな時代の到来と、レジェンドたちの第2の人生にも注目したいところだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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