開幕アウト、途中離脱、手術…2015年、怪我に泣いた選手たち

大型契約も1軍登板ゼロに終わったNPB108勝、MLB56勝右腕

 昨オフのストーブリーグで最大の注目を集めた右腕もコンディション不良と負傷で結局、1度も1軍のマウンドに立てなかった。MLBのメッツから3年総額12億円(推定)という大型契約でソフトバンク入りした松坂大輔投手だ。今季ウエスタン・リーグで1試合に登板し2回を1失点。これが2015年唯一残っている成績である。

 9年ぶりの日本でのキャンプ。そしてオープン戦。右腕は大きな怪我もなく、順調に日程を消化していった。しかし、3月18日にインフルエンザB型への感染が発覚。5日間の自宅静養を経て、練習を再開したが、今度は右肩筋疲労に。無期限ノースロー調整が決まった。約1か月のリハビリを経て、投球を再開すると、5月20日のウエスタン・リーグのオリックス戦で実戦復帰。2回を投げたが、その4日後に登板予定だった24日の同広島戦を右肩の違和感で登板直前に回避した。

 ここからは苦しいリハビリ生活が続いた。キャッチボールは行っていたものの、遠投、ブルペンでの投球練習などを行うことは出来ず。右肩痛、力がうまく入らないなどの症状が出ていた。結局、手術を決断。内視鏡による右肩関節唇および腱板クリーニング術、ベネット骨棘切除術、後方関節包解離術を実施した。球団発表では、復帰までは全治6か月程度。来季の開幕を目指しリハビリを続けている。

 メジャー帰りの投手では、2012年から古巣中日に復帰している川上憲伸投手もNPB復帰4年目の今季は自主トレ中に右肩痛が発症し、結局登板なしに終わった。NPB通算117勝、MLB2年間で8勝の右腕は、過去3年での最多登板は2012年の7試合。かつてのエースの復活をファンは待ち望んでいる。

 ヤクルトの由規投手も負傷の影響に苦しんできた。2012年に右肩の違和感を訴え、この年を棒に振ると、2013年4月に右肩のクリーニング手術を受けた。2014年6月には2軍で復帰登板を果たしたが、2015年も1軍登板なしに終わった。

 2010年には2桁勝利を挙げ、161キロをマークした右腕も、チーム14年ぶりのリーグ制覇には貢献できなかった。今季登板ゼロに終わった主な投手では、日本ハムの武田久もその一人だ。今年3月には左膝、同8月には右膝を手術。全治5か月の見通しが示されている。中日の通算402セーブ左腕の岩瀬仁紀投手も肘の状態が思わしくなく、今季登板ゼロに終わった。

 ヤクルトの館山昌平投手が7月11日のDeNA戦で1019日ぶり勝利を上げるなど復活を遂げる選手も多い一方で、つらいリハビリを耐えながら復活のチャンスを待つ選手も多い。今オフ、彼らはペナントレースに貢献できなかった責任感を滲ませながらトレーニングに励むことだろう。来季はここで触れた選手のうち1人でも多くの選手が1軍の舞台でフルにシーズンを戦えることを期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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