優勝候補だった広島はなぜBクラスに沈んだのか 今季最大の敗因は?

来季25年ぶりVに必要なものは…捕手の起用法も巻き返しのポイントに?

 来季は前田にメジャー挑戦の可能性があり、黒田も去就を明らかにしていない。今年以上に打線の奮起が求められる。キクマルの復活、契約を更新したエルドレッドのシーズンを通しての活躍は必要不可欠だ。そして、捕手の安定も1つの鍵になるかもしれない。

 今季は打力のある27歳の會澤の“独り立ち”も期待されたが、ジョンソン、黒田の先発試合では石原がマスクを被った。石原も36歳と決して老けこむ年齢ではないだけに、広島としては悩ましいところだ。

 捕手出身の野口氏は言う。

「それぞれパーソナル(専属捕手)でいくのもいいんでしょうけど、出来ることなら週6試合、同じ人間がマスクを被ったほうがいいですからね。あの流れでいくと、来年もジョンソン、黒田は石原となるでしょう。さらに、マエケンがいなくなったらどうするのか。

 1カードごとに3試合が會澤、3試合が石原となりかねない。パーソナルを預けるのが多すぎます。自分が阪神にいた時も、一時、5連戦で僕が3試合、矢野さんが2試合という時があったんです。僕が上園、岩田、ボーグルソンで、矢野さんは安藤、下柳さんだけだった。5連戦で僕の方が多かったりしました。でも、そういう時はやっぱりチーム成績が良くないものなんです。

 将来を考えるのであれば、會澤にもっと任せたほうがいいのかなと。ただ、育てながら勝たないといけなくなるので、目先の1勝を追うならまだまだ石原の力を借りないといけない。その辺は痛し痒しですね」

 黒田、前田の去就が大きなポイントとなることは間違いない。ただ、打線の奮起、適材適所の選手起用、捕手の起用によるチームの安定なども、25年ぶりのリーグ制覇に向けて必要な要素となりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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