トライアウトでアピールできた選手は? 一発勝負にかけたそれぞれの思い

育成継続を破棄し、一発勝負で支配下へ挑戦の22歳 「誰よりも目立ったつもり」

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7打数4安打も「半々ですね」と自身の出来を振り返ったBC福島・佐藤貴規(元ヤクルト)【写真:富樫重太】

 佐藤は最終打席を終えると「半々ですね」と自身の出来を振り返り、「ドラフト会議で自分のチームにも何人か候補がいたのですが、誰も指名されずに終わった。自分がトライアウトを受けて、その人たちの分まで上に上がりたい」と福島のチームメイトへの思いを口にした。

 育成選手ながら、その契約を自ら断ち、トライアウトに参加した白根尚貴(前ソフトバンク)も7打数3安打と力を見せた。

「振ることができた。長打も出たのでいいアピールができた。ホームランなど欲を言えばきりがないが、らしさは出せたと思う」

 そう話した22歳は育成選手として埋もれていく可能性がある契約更新ではなく、トライアウトという一発勝負で支配下への道を切り拓く道を選んだ。「自分で動いて自分の決断で、というのが一番いい」との決意を胸に秘めて、見事に二塁打、三塁打を含む3安打と結果を残した。「野手の中では誰よりも目立ったつもり」。支配下オファーへ手応え十分だ。

 他にも済美高時代に甲子園優勝経験もある鵜久森惇志(前日本ハム)は7打数2安打で「自分のスイングはできた」。角晃多(元ロッテ)、林崎遼、大平成一(元日本ハム)も2安打ずつを放ち、各球団にアピールを果たした。

 前年まで2回に分けて行われていたトライアウトも、今年は一発勝負となった。この日の結果を受けて、各球団のオファーを待つ選手たち。果たしてこの中から誰が契約を勝ち取り、来季1軍の舞台に這い上がっていくのだろうか。

【了】

富樫重太●文 text by Shigeta Togashi

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