“潮時”の声も現役へ執念 不死鳥左腕・加藤康介は3度目の復活なるか

葛藤を抱えながら向かったトライアウト、投げ終えて得た手応え「もっとよくなる」

「休養も取りながら、自分のベストを出せるようにやってきました。戦力外を伝えられてから自分自身では一番良かったと思いますし、今後ももっとよくなると自分では思っている」

 参加者最年長の左腕は、自身のマウンドに胸を張り、球場を後にした。

 トライアウトの舞台は結果を残したからといって、声がかかるほど甘くはない。加藤の場合はリリーフとして誰よりも経験を積んでいる一方、来季38歳を迎えるという年齢はどの球団からしても不安を覚える要素だ。

「本当に今日投げるまで自分の中でも色んな葛藤がありました。もしかしたらダメなんじゃないかという色んな気持ちがあって、マウンドに立って1球目投げるまですごく何とも言えない感じでした。終わってみて気持ちの部分ではすっきりした部分もあります」

 そう語る左腕。表情には充実した色が浮かんだ。3度目の復活へ――。15年目のベテランに吉報は届くだろうか。

【了】

富樫重太●文 text by Shigeta Togashi

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