22歳が見せた覚悟とプライド、前SB育成・白根尚貴が“一発勝負”に出た理由

一発勝負にかける思い、「この世界に入った以上、この世界で終わりたい」

 白根は一発勝負を選択した理由を以下のように集約する。

「支配下選手として入れていただいて、ホークスにはお世話になったのですが、本当に支配下で入ったプロ野球選手にしていただいたわけなので、そのプライドというか、育成選手という立場は自分の中では許されなかった。支配下選手への強い思いがこの行動を起こさせたのだと思います」

 あくまでも目指すは支配下契約。独立リーグなどの選択肢に関しても「この世界に入った以上、この世界で終わりたい」と否定。NPBのステージから降りることは、引退を意味するとまで言い切った。

「今年は2軍でも3軍でも合計で130試合、400打席以上入らせてもらって、今年1年だけでも自分のなかでいい経験をさせてもらったなと思っています。来年は大卒なら1年目の年なので、新天地で1年目のつもりでやっていきたい」

 この1年間で大きな経験を得たと語る若武者。どこからもオファーが来ないという最悪のケースも想定される今回のチャレンジ。そんな決断に踏み切った男は、それ相応の確固たる覚悟とプライドを内に秘めていた。

【了】

富樫重太●文 text by Shigeta Togashi

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