V逸の侍J 回またぎ、救援陣の起用法…韓国戦の「継投ミス」を検証する

中継ぎのスペシャリスト不在…適材適所の起用法を不可能にした人選

 メンバー選考の段階で、適材適所の人員配置を考えることが大切だと指摘。「左のスペシャリストがいてもよかったのかな。良かったころの山口(巨人)みたいなね」と、様々な状況に耐えられるようにブルペンを編成する必要性があったと強調した。

 代表入りした「各チームのクローザー」の4人は、松井を除いていずれも右投げの速球派(増井、澤村、山崎)で、落ちる球が武器。今季の成績を見れば、力関係も同等だった。それだけに、適材適所の起用法も難しくなってしまったのかもしれない。

「大谷があれだけのピッチングをしてくれて、彼がずっと投げてくれるなら、負ける要素はない。降りてくれたのは相手にとって『よし!』となるでしょう。韓国もいったん流れに乗れば、ああいう力を持っている。それを乗せるか、乗せないかですから」

 野口氏は、韓国打線の精神面についても分析。お互いのチーム力に大きな差はないが、エースが圧巻の投球をしながらも、日本は最後の最後につけ入る隙を与えてしまったことになる。

 シーズン終わりの11月、各チームの救援陣は疲弊し切った中での登板となり、思うような結果は残せない。それだけに、各自に適した活躍の場を用意してあげることこそが、必要な要素だったと言えそうだ。小久保ジャパンは「プレミア12」初代王者に輝くことは出来なかったが、今後も続く代表チーム強化への糧となることを期待するしかない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY