「イチロー投手デビュー」は受賞ならず 今季MLB最優秀話題賞に輝いたのは?

最優秀話題賞にノミネートされたイチローの投手デビュー

 2015年シーズンを総括するMLBアウォーズで23部門の受賞が発表され、最優秀話題賞の候補にノミネートされていたマーリンズ・イチロー外野手の投手デビューは落選となった。

 イチローがノミネートされたのは「ベスト・トレンディング・トピック」。野球界で最も話題となった、魅力的な出来事を選ぶ賞だ。候補となった12の事象の一つに、10月4日、今季最終戦フィリーズ戦でのメジャー初登板が入っていた。

 だが、選出されたのは今季ア・リーグ優勝決定戦で惜しくも敗退したブルージェイズのレンジャーズとの地区シリーズ第5戦の7回の激しい攻防だった。

 ブルージェイズのマーティン捕手の投手への返球が秋信守外野手のバットに当たり、三塁方向に転がる間に、三塁走者がホームイン。珍しいプレーで3-2とリードを奪ったが、ジェイズがその裏大反撃。レンジャーズのアンドラス遊撃手の3連続エラーなどで追いつくと、主砲バティスタが2アウトから満塁ホームランを放った。大飛球の後、バティスタが豪快にバットを放り投げるとロジャースセンターは大いに盛り上がった。

 このあまりにドラマチックな7回の攻防が最優秀話題賞を勝ち取った。

 イチローのピッチャーデビューも全米で大きな反響を呼んでいた。

 ノミネート時にはレジェンドのマウンドデビューについて「イチロー・スズキはキャリアの中で、ライトから数々の伝説的な送球を続けてきた。だが、2015年の162試合目までマウンドで自分のボールを披露する機会はなかった。長い間様々な監督に投球するチャンスを訴え続けてきた熟練の打者はフィリーズとのレギュラーシーズン最終戦で1イニングを投げ、最高88マイル(約142キロ)を記録した。彼の登板には、稀有なシーンを目の当たりにした多くのファンからソーシャルメディアでコメントが寄せられた」と絶賛されていたが、惜しくも受賞を逃した。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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