【小島啓民の目】技術同様に向上が必要なメンタルトレ 一流を目指すアマ選手に必要なこと

元ラグビー日本代表監督のエディー・ジョーンズ氏も強調した日本の強み

 私は、所属している日本野球連盟で、社会人チーム又はクラブチームの若い選手を対象として、各地で研修会を行っています。日本野球連盟の中に競技力向上委員会という部門があり、名前のごとく、競技力を上げていくという活動を行なっています。この委員会は、過去にオリンピックを経験した者や世界大会に出場した者、指導者として国内大会で優秀な成績を上げた者によって構成されており、アマチュア野球界の技術部門のトップとも言えるでしょう。昨年より「ミスターアマチュア」と称された杉浦さんもこの委員会の一員となっています。

 私もメンバーの一人として、10月に中国地区、11月には九州地区へ他委員とともにそれぞれ研修会に参加してまいりました。この研修会では、技術指導を行うばかりでなく、社会人としての心構え、練習への取組み姿勢などについて、かなり高いレベルでの意識付けを行います。

 例えば、元ソウルオリンピック日本代表チームの主将であり、この委員会の長である筒井崇盛委員長は「本当に上手くなりたければ、雨が降っても、体調が少し悪かろうが、バットを振る。バットを振らなければ気持ち悪くて寝れないという心理状態になれ」などとお話されていました。技術よりも心理状態について力説されていました。

 少し武士道の精神に近いものがありますが、日本人の良さは、粘りと勤勉さです。ラグビーワールドカップ日本代表を率いたエディー・ジョーンズ氏もその部分を日本人の強みと強調していました。パワーや基礎体力で劣る日本人は、鍛錬によってこの差を埋め、更には武器である知力で勝機を見出さなくていけません。

「プレミア12」の戦いを見ていても、チームの結束力、更にはチーム戦略遂行、自己犠牲の精神は、日本チームが一番だと感じました。技術の向上を求めることは選手として不可欠ですが、技術を向上する上でも、目的意識と継続性などメンタル部分が必要になってきます。

 そうは言っても、一言でメンタル、精神力と片付けらるほど簡単なものでもありません。メンタル面の強化をする上で、私が特に重要だと思う部分は、意識を継続する力と予測する力(先読み)と感じています。特に先を読む姿勢、つまり予測する習慣をつけることで、その手段や対策を考えることになり、練習への意識も高まってきます。

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