広島がポスティング容認で争奪戦必至 マエケン獲得に動く球団はどこ?

先発投手補強の動きが活発のMLB、前田獲得に手を挙げる球団は?

 広島のエース前田健太が今オフにポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指すことになった。球団側の了承を得て、夢の実現に大きく前進した右腕は自身のブログでも報告。「松田オーナー初め鈴木本部長、後押ししてくれたファンのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです」と綴っている。

 広島がポスティングの利用を容認したというニュースは米国にもすぐに伝わり、現地の大手メディアもトップニュースで伝えた。譲渡金が上限の2000万ドル(約24億円)に設定されるとの見方も出る中で、果たしてどの球団が右腕の獲得に手を挙げるのか。

 5日(現地時間4日)にはドジャースからフリーエージェント(FA)となっていたザック・グリンキー投手がダイヤモンドバックスと6年総額2億600万ドル(約253億3000万円)で合意に達するなど刻々と移籍市場が動く中で、現地報道等で“前田争奪戦”参戦の可能性が浮上している主な球団の動向を見てみたい。

○ジャイアンツ

 オフシーズン当初から先発の補強が大きなポイントとされていたジャイアンツ。グリンキー獲得戦ではドジャースと並び本命と目されていたが、同地区のDバックスに競り負ける展開となった。今後も先発陣の補強に積極的に動くことは必至。絶対的エースであるマディソン・バムガーナーに続く柱が不在で、今季2桁勝利を挙げた投手はバムガーナーと実質ルーキーであったクリス・ヘストン(12勝)のみ。激戦となることが予想されるナ・リーグ西地区を戦い抜くには心もとない状況で、地元紙「サンノゼ・マーキュリー」もグリンキー争奪戦に敗れた後の候補リストに、サマージャ(ホワイトソックスFA)、岩隈久志(マリナーズFA)、カズミアー(アストロズFA)、フィスター(ナショナルズFA)とともに、前田の名前を挙げている。

○ドジャース

 現役最高左腕カーショウを来季も擁するもの、グリンキーの務めた2番手投手を補強しなければ、プレーオフ進出に暗雲が差し込む。10勝を記録したアンダーソンは残留するが、キャリアを通じて故障がちな投手であり信頼感は薄い。今季肩の手術を受けた柳賢振の復帰も予想されるが、グリンキーとの再契約を逃したことで新たな先発投手の獲得の動きが加速。現地ではクエト(ロイヤルズFA)、岩隈、カズミアー、サマージャらとともに前田の獲得の可能性が報じられている。

○ダイヤモンドバックス

 大きな衝撃をもって受け止められたグリンキーの獲得。しかし、米複数メディアはDバックスの先発補強が続くことを報じており、マイク・リーク(ジャイアンツFA)にも接触しているとの報道も。前田にはポスティングの利用決定前から熱視線を送っており、ホール球団社長も同投手の獲得を熱望するコメントを残している。巨額の放映権料等で資金面も余力があると見られ、グリンキーとの“両獲り”の可能性も十分に残されている。

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