甲子園圧勝Vから4年 “最強チーム”支えた同級生5人のその後

2年生以降不調やケガに苦しんだ吉永、元女房役の鈴木とともにJR東日本へ

○早大・吉永健太朗

 あの当時、最も全国的な知名度を誇っていたのは吉永だろう。絶対的なエースに君臨。140キロ台後半の直球とシンカーを勝負球にして、3年夏の甲子園決勝も完投した。卒業後は早大に進学。スーパールーキーとして1年春から活躍し、リーグ優勝に貢献。全日本大学野球選手権では、いきなり「高校&大学日本一」を達成した。早大・斎藤佑樹以来の「大会1年生MVP」に輝き、順風満帆な大学での船出となった。

 しかし、2年生以降はフォームのバランスを崩し、加えて右肘痛も発症。1年半以上も白星から遠ざかるなど苦しんだ。結果、目標としてプロへの挑戦は一旦は封印。プロ志望届は提出せず、社会人野球のJR東日本から、畔上と同様に再挑戦する。

<六大学通算成績>34試合11勝10敗、防御率2.53、リーグ優勝3度、最優秀防御率1度、ベストナイン1度

○立大・鈴木貴弘

 吉永の快投を女房役として支えたのが、正捕手の鈴木だった。「7番・キャッチャー」として出場し、甲子園決勝でも一発を放つなど、攻守でチームの大黒柱となっていた。立大でのリーグ戦デビューは2年春。それでも、3年春から定位置を掴むと、4年から横尾、畔上と共に主将に就任。六大学のうち、3校のキャプテンが同一校出身者から選出される快挙を演出した。

 卒業後はJR東日本に進む。吉永との高校時代以来のバッテリーも見られることになるはずだ。

<六大学通算成績>53試合、123打数19安打、打率.154、1本塁打、10打点、リーグ優勝、ベストナインともになし

 こうして見ると、5人のうち2人がプロ、3人が社会人に進むことになった。同一校の同級生が六大学でこれだけ活躍することが自体が異例のこと。今後はそれぞれ異なるステージで戦うことになるが、互いに切磋琢磨しながら野球界を盛り上げていってくれることだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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