米経済誌が分析 なぜメジャーリーガーの年俸は異常なほど高騰している?

高騰する放映権料と小都市の球団に競争力を与えるシステム

 この理由には、第一にリーグ全体の収入増が存在するという。記事によると、MLBは13年連続で増収を続けている。2015年シーズンには95億ドル(約1兆1660億円)の売り上げを記録。前年度比5億ドル(約614億円)の売り上げ増で、各球団の平均的な価値も12億ドル(約1473億円)と算出されている。

 増収を支えているのは放映権料だという。MLBがFOXテレビ、TBSテレビと結んだ124億ドル(約1兆5220億円)の契約を筆頭に、各球団も地元ケーブルテレビ局などと総額10億ドル(約1227億円)以上の放映権契約を締結。ドジャースが、2013年にタイム・ワーナー・ケーブル社と25年総額83億5000万ドル(約1兆249億円)という衝撃的な放映権契約を結んだことも記事では紹介されている。

 大都市を本拠地とするヤンキースやドジャースなどマーケットの大きい名門以外にも、グリンキー争奪戦を制したダイヤモンドバックスは総額15億ドル(約1841億円)以上の放映権契約を結んでいる。

 第2の要因として記事で挙げているのが、「レベニュー・シェアリング」と呼ばれる収益共有システムだ。前コミッショナーのバド・セリグ氏は小さな都市のフランチャイズにも競争力を与えるために、各球団が収益の31パーセントをリーグに1度預け、それを30球団に均等分して配当するというシステムを構築した。

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