世間を驚かせた巨人杉内の大減俸 決断の裏にあった葛藤と男気

ボロボロの状態だった股関節、驚異の奪三振を誇るも…

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杉内俊哉のこれまでの成績

 杉内はチームに貢献できなかったと悔しさをにじませたが、2008年くらいから痛み出した股関節はボロボロの状態だった。それでも4月は3勝。5月までに5勝1敗とローテーションを支えていた。序盤戦からポレダや高木勇人、さらに5月後半からはマイコラスと、巨人1年目の投手たちが奮投できたのも、巨人で経験のある菅野と杉内の存在があったからこそ。本人はグラウンドに出る限り言い訳はできないと痛みを押し殺しながら、マウンドに立っていた。

 患部の影響もあって球に力がなくなってくるため、近年は早い回でマウンドを降りることが増えた。それでも、先発として登板した以上は「長いイニングを投げたい」「監督に信頼してもらえるように頑張ります」と完封、完投を目指し、それがだめなら8回、7回と1回でも多く投げようと努力してきた。

 杉内は直球とスライダー、チェンジアップが武器。自慢の変化球で空振りを取るためには、何よりもストレートのキレが重要だ。それが長いイニングを投げることにつながると考えた。だが、体重を乗せ、ボールに力を伝えるはずの股関節が痛めば、最後の踏ん張りもきかず、ストレートの力もなくなる。そうなれば、スライダーやチェンジアップの効果も薄れてしまう。結果、簡単に打たれてしまう試合が増えてしまった。

 現役では三浦大輔(DeNA)に次ぐ2位の奪三振2156個と輝かしい成績を残す。歴代でも14位。その14投手の中で投球回数より三振が多いのは杉内だけだ。これまでならば、3つの球種で簡単に三振を奪えていた。しかし、ストレートに以前の力を求められなくなると、ソフトバンク時代の終盤ころからキャンプでカットボールやフォークなど球種を増やす練習もしていた。投手が球種を増やすのは進化するための努力にも見えるが、杉内にとっては、「本当はしたくはないんだけど……」と苦渋の決断だった。自分の武器が通用しないことを認めることになるからだった。実際にシーズンではほとんどこの3つ以外の球種は投げなかった。ここに左腕のプライドが垣間見れる。

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