衝撃の男気復帰から1年、黒田博樹の「MLB→NPB」における投球の変化とは

三振、四球の割合がともに減少傾向、打球はゴロに

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黒田博樹の日本復帰前後の成績比較1

 まず、投手が失点を抑止する上で重要とされる3つの要素、「三振奪取」「四球抑止」「打球管理(どんな打球を打たせたか)」を、K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、ゴロ率(打たせた打球に占めるゴロの割合)から見ていこう。

 黒田の2015年のK%は15.5%。MLBでの7シーズンの平均は18.1%、日本復帰直前の2014年は17.8%だったので、数字の単純比較においては日本復帰後に悪化している。

 BB%は4.2%を記録。MLBでの7シーズンの平均は5.4%。日本復帰直前の2014年は4.3%と低かったが、ほぼ同じレベルを日本でも記録した。

 ゴロ率(GB%)はどうか。ゴロを多く打たせることは、本塁打をはじめとした長打を防ぐことにつながるため失点のリスクを下げる。黒田の2015年のゴロ率は53.0%。MLBでの7シーズンの平均は48.6%だったので、日本で打たせた打球は、より高い割合でゴロになっている。黒田は7シーズン全てでMLB平均を上回るゴロ率を記録しゴロピッチャーとして活躍したが、日本でも同じような投球ができているようだ。(※1)

K%(奪三振)
18.1%→15.5%(規定投球回到達26投手中21位)

BB%(与四球)
5.4%→4.2%(規定投球回到達26投手中4位)

ゴロ率(打球管理)
48.6%→53.0%(規定投球回到達26投手中10位)

 まとめると黒田は日本に復帰し三振を奪うケースを減らした。だが、四球を増やすことはなく、ゴロをより多く打たせていた。三振を獲る代わりにゴロを打たせることで投球のクオリティを保っていたとみられる。

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