増えつつあるMLB経験者の日本移籍 外国人選手が日本球界を目指す理由とは

「ジャパニーズ・ドリーム」として語り継がれる選手たち

 日本への移籍が増えている理由、最後は個人的な見解ではあるが、過去の外国人選手の日本での成功例が増え、さらに多くの日本人選手が米国の地でプレーすることで、「日本」への壁がなくなったのが理由として挙げられる。

 中南米出身の選手と話をしていると、元埼玉西武のカブレラ氏、現横浜DeNAのラミレス監督、そして東京ヤクルト・バレンティン選手など、日本で活躍をして富を得た選手の名前が出てくる。彼らの日本での活躍は、同じ中南米の選手にすれば「ジャパニーズ・ドリーム」を手中に収めた選手として語り継がれているのである。

 そして多くの日本人選手が米国に渡ったことも影響し、外国人選手にとって日本という国・文化がより身近な存在になった。メジャーの舞台で実績ある選手も、日本人選手とプレーした経験からその文化やスタイルに興味を持ち、引退前には日本でプレーしてみたいと語る選手も増えてきている。

 ただし、最初から日本を目指す外国人選手はそう多くない。多くの場合、メジャーに定着する戦いの過程で、日本挑戦という現実的な目標が上がってくるのではないかと思う。100億円を超えるメジャーでの契約を手にする夢を一度諦め、日本でプレーし、金、経験、そして評価につながる自信を得て、再びメジャーの舞台を目指そうという現実的なプロセスを思い描くのである。

 メジャー40人枠に入っていれば、メジャーでプレーする可能性は大いにある 。だが一度40人枠から外れてしまうと、そこに戻るためには実力以外の要素も絡んできてしまう。球団側としては出来るだけ若い選手を保有したい意向もあり、メジャーのチームで戦力となっていない限り、40人枠に残り続けるのは容易なことではない。そのため各球団が新たなシーズンに向けて25人枠、40人枠を整え、そこから外れた選手は日本へ活躍の場を求める場合もある。

 日本の球団は、メジャー球団が保有権を持たなくなり、FAとなった選手をトレードマネーなしで獲得できる。今やプロ野球も外国人選手の「買い手」市場となったのは言うまでもない。私も、これまで日本に行きたいと語っていた選手と多く出会ってきた。特にマイナーリーグに在籍する選手は日本行きを熱望する選手も多く、日本人スカウトが試合にやってくると目を光らせている選手も少なくない。

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