パはホークスが三軍制、MLBでは七軍以上も!? マイナー組織の存在意義とは

時に切り札にもなる「プロスペクト」、指名即メジャーデビューはなぜ稀なのか

 今年も川崎宗則選手をはじめ、マイナー契約を結んだ選手は多数いる。キャンプで開幕メジャーを勝ち取るのが最大の目標だが、シーズン中にケガや登録を外れた場合の代役として期待されている面も強い。もしメジャーの球団がマイナー契約で特定のポジションの選手を多く獲得した場合は、スタメンの選手に不安、もしくは競争が必要と感じている証拠かもしれない。

 なお9月になると登録選手枠を25人から40人に増やすことができ、シーズン終盤でのプレーオフ争いとしての戦力、もしくは翌年に向けての機会をメジャーの舞台で得られることができるか、見極めが行われる。

 もう1つ、マイナー組織の存在意義には、プロスペクト(若手の有望株)の価値の高さがあるかもしれない。米国ではプロスペクトをランキングする媒体があるほど、彼らに高い価値が置かれている。

 よくシーズン中のトレードで、「なぜこんなに有名な選手が、無名のマイナーリーガー3人とトレードされたのか」など、疑問に思ったことはないだろうか。それは無名と思われるマイナーリーガー3人には、思いもよらぬほど高価な価値が付いているからだ。

 常に勝利を求められている球団は、プロスペクトの選手をトレードの「駒」として考え、育成する。そして優勝を目指すために何かが足りないという時に、プロスペクトと呼ばれるジョーカーを使って他から補強し、戦力を上げていく。メジャー球団の現戦力だけではなく、どれだけ豊富なプロスペクトを抱えているかが、チームの将来を左右すると言っても過言はない。

 その若い選手たちもいきなり上のレベルでプレーすると、伸び悩み、スランプに陥ってしまうこともある。そのため下部組織で選手それぞれの成長にあったレベルで技術や精神面を鍛え、球団はメジャーでの活躍を期待して育成していくのである。選手一人ひとりの性格や技術に合わせて育成プランが作成されている。

 そのため、米国ではドラフト指名を受けてすぐにメジャーデビューすることは本当に稀だ。時に大学生でドラフトされた年にメジャーデビューを果たす選手はいるが、それも数年に1人といった割合ではないだろうか。

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