“浮かれない”ロッテドラ1平沢大河 胸に刻む高校時代の教え

卒業式後に向かった“ある場所”と思い返した言葉

 卒業式終了後、平沢は迷うことなく、ある場所に向った。それは3年間、バットを振り続けた室内練習場。壁いっぱいに、いろいろな言葉が書かれて貼られている。

 熱い言葉、人生訓。監督が生徒たちに、野球だけではなく、人間としてしっかりと育ってほしいという思いから一つ、また一つと貼り続けた言葉の数々。それらをじっと見渡しながら、高校時代に教えてもらった監督のメッセージを反すうしているように見えた。そして、最後に言われた言葉を思い返した。

「これから先の世界、自分の思うようにいかないようなこと、思ってもいないようなことがいろいろあると思う。いや、ある。それをちゃんと受け入れられる人になりなさい。世の中、そんなに甘くはないからね」

 オープン戦はしばし続く。その中で、今後も注目を一身に浴びることになる。ファンの期待も高まる一方だ。その中で平沢はただバットを振り続け、白球を追う日々を送っている。その先に待っている結果を想像してみようとはしない。絶対に立ち止まらない。今を生きる。若者は今の自分と向き合い、必死の日々を送っている。3月25日、パシフィック・リーグ開幕戦。千葉ロッテマリーンズは、新しくなったビジョンが備え付けられた本拠地・QVCマリンフィールドからスタートをする。

【了】

(記事提供:パ・リーグ インサイト

マリーンズ球団広報 梶原紀章●文 text by Noriaki Kajiwara

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