可能性広がる日本、競争激化する米国、変化する球界&MLBへの就職事情

劇化する「椅子」をめぐる競争

 最近では日本でもビジネスの世界から転職する人材も多く、少しずつではあるが異業種の人間がフロント入りを果たしている。メジャーリーグのフロントに目を向けると、名門と呼ばれるハーバード大学、イェール大学など卒業をしたエリートたちが多く存在する。

 私自身の経験を述べると、日本人選手のメジャー挑戦の恩恵を受けて7年間現場で仕事をさせていただき、「日本語-英語の通訳」という一芸で仕事を得ることができた。そして一芸を持ちつつ、さらに幅を広げ自分の居場所を見つけてきた日本人スタッフは、メジャーリーグに多く存在する。

 私は残念ながらその一員になれなかった。2014年に自身2度目となるウィンターミーティングに参加するため、開催地であったサンディエゴへ足を運んだ。いろいろな球団の人間と会い、今後の可能性を模索していたが、ある球団の元GMに言われた言葉が今でも頭に残っている。

「私が野球界で仕事を始めた頃と時代は変わった。今は大学院を卒業した者、ハーバード卒や申し分ない履歴書を持っている者に対しても、無償のインターンを断らないといけない。今から野球界で仕事を探すには大変厳しい時代になっている」と話してくれた。

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