紙一重だった大会屈指の好カード 悔しさを糧に成長した敦賀気比と青森山田

制球力を磨き上げた青森山田・堀岡

 青森山田もリベンジするべく、食らいついた。打線は敦賀気比よりも1本多い4安打だったが、得点することはできなかった。好投手相手に多くのチャンスはないと判断し、走者が塁に出れば積極的に策を講じた。5回1死二塁ではカウント3ボールから、「待て」ではなく、打てる球は打てという強行の指示を出した(結果は三振と、走者を出しても落ち着いていた山崎に軍配は上がったが)。

 投げては先発の堀岡が課題だった制球力を磨き上げ、安定したコントロールで1失点完投。1点差のまま何とか食らいつこうと気迫を前面に出し、前回大会Vの敦賀気比打線を3安打と封じた。堀岡は神宮大会の準決勝では登板していない。自分が投げて勝つという思いを持って、ひと冬を過ごしてきた。

 打撃陣がふるわなかったことは悔やまれるが、それは夏への課題となった。青森山田は強力打線を作って、夏を戦ってくるだろう。

 勝負は紙一重。1点差の好ゲームは勝者と敗者を分けたが、両校ともやってきたことは間違いではない。熱戦を一つの糧として、また新たなスタートを切る。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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