球団史上初の新人から3年連続2桁勝利へ ロッテ石川を成長させる貪欲な姿勢

記録に挑む右腕が結果を出し続けられる理由とは

 球団史上初の記録に挑む男がいる。石川歩投手。ルーキーイヤーから2年連続の2桁勝利を達成した男は3年連続2桁勝利を視野に入れる。ロッテ球団史上、新人からの2年連続2桁勝利は50年、51年に達成した荒巻淳氏以来、実に64年ぶり。今年、3年連続で2桁勝利を達成すれば、球団史上初の快挙となる。

「その話はよく聞かれます。ただ、自分は数字にはこだわらないようにしているのです。それよりも試合において自分のボールを投げる事を意識する。数字はその結果としてついてくるものです。あえていうのであれば、貯金をたくさん作れる投手になりたい。それが一番チームに貢献していることになる」

 周りの期待を背負いながらも石川に気負いはない。それはルーキーイヤーから変わらぬ姿勢。気合いと根性、負けじ魂が渦巻くプロ野球に置いてなんともいえないマイペースさ、クールさで、結果を出し続けてきている。それが背番号「12」の真骨頂。ただ、人には見えないところでは、自分を成長させるための努力を惜しまない貪欲な姿勢がある。

 石垣島春季キャンプ。第2クールから新戦力のJ・スタンリッジ投手が合流すると、練習の合間を見計らって、早速、声を掛けた。ソフトバンク、阪神、そして再びソフトバンクと渡り歩き、これまで8年で63勝。新加入したベテラン助っ人右腕にアドバイスを求めたいとずっと願っていたからだ。スタンリッジがピッチングを終え、アイシングをしながら食堂で軽食を口にしている時、このタイミングを逃すまいと同じテーブルに座ると、質問を投げかけた。

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