日米で違い 「和食」ブームの米国に日本流球場グルメが輸出される日も?

米国の球場グルメとは?

 2015年にワールドシリーズを制覇したカンザスシティ・ロイヤルズは「チャンピオンズ・アリー・ドッグ」という、優勝チームならではの新メニューを打ち出した。その中身というのは、天婦羅粉で包まれたウィンナーをベーコンで巻き、甘みのある刻んだキャベツ、ピリ辛のケチャップをソースに、プレッツェル生地のパンで挟んだものだ。

 もう1つ気になったメニューでは、今季本拠地ターナー・フィールド最終年を迎えるアトランタ・ブレーブスが打ち出した「バーガーリザ」。名前を聞いただけでどんな食べ物か想像出来る人も多いだろう。名の通りハンバーガーとピザのコラボだ。しかもその値段は26ドル(約2,900円)とかなり割高だ。やはり値段の部分がネックになる人もいるだろうが、球場でしか食べることのできないグルメとしてどれだけ希少価値があるだろうか。

 懐が気になるファンにとっては嬉しい「格安日」もある。私がインターンをしていたクリーブランド・インディアンスでは「ドル・ドッグナイト」が設けられており、その日はホットドッグ1本を1ドル(約111円)で食べることができる。この「ドル・ドッグナイト」には、球場に多くの大学生が訪れる。大学の学生証持参で割引がきくカレッジナイトを開催することも多く、貧乏学生にとっては外野席で野球を見ながら格安で食事にあり付ける。

 この日はホットドッグの消費量がいつも以上に多いため、球団内の社内メールでは「手が空いている職員はホットドッグ作りを手伝ってください」という案内が送られてくるほどだ。職員やインターンも日中ホットドッグを巻く業務を手助けする。私も何度かこの業務に借り出され、アシスタントゼネラルマネージャー(GM)の隣で会話をしながら一緒にホットドッグを巻いたのは、ユニークな体験として心に残っている。

 日本では独特なグルメ企画があり、オリックスでは「オリ達デー」と「オリ姫デー」限定メニューを打ち出した。男性ファンに向けたボリューム感満点のカツサンドやスタミナ満点のスタ丼などがメニューに並ぶ。そして女性ファンに向けた限定メニューでは苺サンデーやニューヨークで人気のポップオーバーなどのスイーツ、そしてツナ・アボガドを挟んだ「いてまえドッグ」など、ターゲットに合わせたメニューを考案している。

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