日米共通? 「母の日」が生み出す野球界の新たな価値

明確なターゲットを絞ったスポンサーとの取り組みは?

 これらはターゲットを明確にしたスポンサーとの取り組みだ。それぞれのファンにソーシャルメディア上で企業名をアップしてもらうのは、効果的なプロモーションにもなり得る。アップした写真は試合中にビジョンでも流され、試合に来場した母親たちにはカーネーションとマスコットからのハグ付きというおまけもある。

 米国には劣らない独自の母の日企画に、パ・リーグ各球団も取り組んでいた。千葉ロッテマリーンズはロッテの製品である「Ghana(ガーナ)」とのタイアップで、母の日ガーナスペシャルデーを企画。特設された母の日ガーナスポットで写真を撮影し、ソーシャルメディアで写真をシェアしたファンには製品をプレゼントするという企画だ。そのエリアでは、選手たちの母の日メッセージも展示された。そして、キッズスペースではデコガーナ体験会を開くなど、親子向けにさまざまな企画を展開した。

 埼玉西武ライオンズは継続的にがん検診啓発活動を支援するために「LIONS HAPPY MOTHER’s DAY」を開催。ベースやビジョンの配色、バルーンもピンク色となり、さらには入場時に当日限定フラッグも配布され、ファン参加型で球場が一体となってがん検診の啓発をおこなうイベントも行われた。

 さらには選手たちが使用したキャップに直筆サインを加えたものや実際に試合で使用されたピンク色の塁ベースなどのアイテムがチャリティーオークションに出品される。5月9日からは直筆サイン入り応援団フラッグが含まれた第1弾の出品アイテム入札期間が設けられ、5月15日からは直筆サイン入りオリジナルキャップが中心となる第2弾のアイテム入札期間となっている。なおチャリティーオークションで入札されて得た資金は、母の日イベントに協力した公共財団の日本対がん協会に寄付されることとなっている。

 形はさまざまだが、日米では球場でいろいろな取り組みが母の日に開催されている。スポンサー企業とタイアップし、お互いに新たな価値を生み出す取り組み。がん検診の啓発を促すことで人々の健康を考えた取り組み。母への感謝、家族との時間の大切さを再確認できる場と時間の提供。家族一緒に過ごせる場所や時間というのは近年減少傾向にあるような気がする。その貴重な場と時間を各球団が野球観戦というコンテンツを元に提供することができれば、野球そしてスポーツにまた新たな価値が生まれるのではないだろうか。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

新川諒●文

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