セの苦戦続く交流戦、今年の注目は「広島とDeNA」!? 残りの4球団は…

「黒田ならSBを何とかしてくれる」、セ球団は「極端なことをやってみるのも1つの手」

 そして、交流戦で最も優勝に近いセ・リーグ球団は、好調の首位広島だと野口氏は言う。今季は打線が破壊力抜群。先発投手陣も、ジョンソン、黒田は計算ができ、野村も好調。さらに、九里、中村恭、ドラ1岡田と若手の台頭で安定してきた。ブルペンは、ヘーゲンズ、ジャクソン、中崎と繋ぐ形が確立されている。

「カープの打線は異常なほど打っていますからね。敵地でDH制になって、エルドレッドがDH、打撃好調の松山が守って、となったらとんでもない打線になります。上位の5人(田中、菊池、丸、新井、エルドレッド)にプラスして松山、当たっている鈴木も入れて7人がいいわけですから」

 さらに、先発投手陣についても「ジョンソンは大丈夫でしょう。初戦はロッテ戦ですが、風のあるQVCマリンで投げれば、あのボールはなかなか打てない。真っ直ぐが浮き上がって、変化球もさらに鋭くなりますから」と分析。また、もう1枚の大黒柱である黒田には、最強チーム撃破の期待もかかる。6月3日からのソフトバンク3連戦で先発が見込まれるベテラン右腕は、昨年も日本一軍団を敵地で8回6安打無失点と抑えこんだ。昨季の交流戦は3戦3勝、防御率0.84と圧巻の内容だった。

「黒田ならソフトバンクを何とかしてくれるかもしれない。黒田なら何とかしてくれるという気にさせますよね。ああいうピッチャーは、パ・リーグにもそうはいない。パ・リーグの打者は直線的なボールを強く振る。当てに来る感じではないので、ボールを動かすピッチャーは有効なのかもしれません」

 投手陣がしっかりと試合を作れれば、広島が交流戦でも快進撃を続ける可能性は高そうだ。

 ただ、ここに来てパ・リーグの強打者が調子を上げているのも事実。日本ハムのレアード、中田は29日の楽天戦で2本塁打ずつを放ち、西武・中村も上り調子。オリックスではT-岡田が絶好調で、昨季トリプルスリーのソフトバンク柳田もジワジワと数字を上げてきた。セ・リーグの投手は今季も手を焼くことになりそうで、各球団は対策を練っているはずだ。野口氏は言う。

「交流戦はよほど研究を重ねていかないと。セ・リーグの球団は、これまでの失敗にどういう原因があるのか、というのはあると思うので、それをどう潰しているか。よほど極端なことしなければ、難しいかなという気もします。私が阪神でプレーしていた時に、交流戦は日本ハム戦が開幕戦で、先発マスクを被りました。小笠原(現中日2軍監督)がバリバリの時で、4打席ほとんど全てのボールでインコースを攻めました。その結果、その年の小笠原はそこから調子を落とした、というのがあった。スコアラーさんが持ってくる資料次第ですけど、そんな極端なことをやってみるのも1つの手かなと思います」

 例年通りパ・リーグが強さを見せるのか。それともセ・リーグが意地を見せるのか。大きな注目が集まる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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