まるでジョーダン!? イチロー美技にエースも感謝、1安打で通算2966安打

相手好守を上回るスピードで内野安打、最多ローズまで「12」、マ軍は1-0で勝利

 マーリンズのイチロー外野手が5日(日本時間6日)、本拠地で行われたメッツ戦に「1番・右翼」で先発し、超美技と内野安打で魅せた。5回に頭上を越えそうなライナー性のフライをジャンピングキャッチすると、8回に遊撃への内野安打を記録。これでメジャー通算2966安打となり、3000安打までは残り34本、日米通算では4244安打でメジャー最多安打を誇るピート・ローズ氏の記録まで「12」と迫った。メッツ右腕ハービーとマーリンズ右腕フェルナンデスのエース対決となったこの試合は、1-0でマーリンズが勝利。連敗を2で止めた。

 イチローの超美技は両チーム無得点の5回に飛び出した。先頭コンフォルトが放ったライナー性の強い打球は、右翼を守るイチローの頭上を越えて二塁打になるかと思われた。だが、ここでイチローが真骨頂を見せる。打球から目を切らずに背走すると、最後に大きくジャンプ。マイケル・ジョーダンがダンクシュートを決めるような格好で左腕を大きく伸ばすと、打球はイチローのグローブに吸い込まれた。
 
 これを見たマウンド上のフェルナンデスは天に両手を突き上げて大喜び。さらには、帽子を脱いで右翼にいるイチローに向かって「ありがとう!」とばかりに高く掲げると、大きな笑みを浮かべた。実況アナも「イチローが…取りました! どうです、このプレー!!!」と大興奮。抜けていれば相手の先制点に繋がる可能性もあっただけに、本拠地のファンからも大歓声が上がった。

 打席では、1点リードの8回2死走者なしの場面で迎えた第4打席に安打が生まれた。メッツ2番手バスタルドと対峙すると、カウント1-2からの4球目外角90マイル(約145キロ)速球にバットを合わせた。センターへ抜けるかと思われた球足の速い打球を、メッツ遊撃カブレラが好捕。体を半回転させて一塁へストライク送球をしたが、イチローの快足が勝って内野安打。再び本拠地のファンが大きく沸いた。

 しかし、次打者プラドの打席では二盗に失敗。イチローは1球目の直前に二塁へスタートを切ったが、マウンド上の左腕バスタルドが同時に一塁へ牽制。二塁へスライディングを試みたイチローよりも、一塁手ロニーから遊撃手カブレラへの送球が一瞬早くアウトとなった。

 マーリンズはこの日、フェルナンデスが7回を投げて自己最多タイとなる14奪三振の快投を披露し、貯金を3に増やした。最少失点での勝利だっただけに、イチローの美技も大きなポイントとなった。イチローは、4打数1安打で打率.313となった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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