262安打の記録誕生秘話 イチローと殿堂入りの元名手・モリター監督が育んだ強い絆

イチロー「言葉に重みがある人。僕を信じ続けてくれた」

 打撃コーチ当時は「口数が多いタイプではなく、自主性に任せてくれるタイプ」で「不調の時に掛けてくれる一言二言が、とても重要で後々まで助けになった」と回顧。記録達成を前に苦労している時のことを例に挙げ、「精神面で苦しい時やタフな状況にある時、普通の人に『リラックスしろよ』と言われるのと、ポール・モリターのような人物に『リラックスしろよ』と言われるのではまったく意味が違う。それだけ言葉に重みのある人」とコメントしている。

 モリター氏の打撃コーチ像から「何も言わないことが非常に効果的であることを学んだ」というイチローは記事の中で、2人が共有した2004年は「間違いなくスペシャルな経験だった」と振り返っている。

「あの年、好不調の波がある中で、ずっと僕を信じ続けてくれていた。僕のやること、僕の才能を信じ、任せてくれていた」

 そう語っているイチロー。違うユニフォームを着る今でも、2人が「強い絆」で結ばれていることは間違いなさそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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