ホークス岩嵜が大ピンチ救う好救援「どんな場面でも今は投げることが楽しい」

前回自ら作ったピンチを救われ「飯田と森福さんを助けたい」

 9日、DeNA戦の7回表。ソフトバンクは2点差に迫られ、なお1死満塁という大ピンチを作ったところで岩嵜翔をマウンドに送った。

 岩嵜は、その2日前のDeNA戦で8回頭から登板していきなり本塁打を浴びると、その後も四球、ヒットと1死も取れずに降板したばかり。絶好のリベンジの舞台を与えられた岩嵜は、先頭の桑原将志を空振り三振、続く宮崎敏郎を一塁ゴロに打ち取ってチームを救った。

「前回は1アウトも取れずに、森福さんとスアレスに助けてもらったので、今日は自分が飯田と森福さんのピンチを助けようとマウンドに上がった」と岩嵜。「しっかり腕をふりさえすれば、彼の球威なら抑えられる」と、工藤公康監督も若き右腕の実力を認めている。

「監督も『お前のポテンシャルからしたら、もっとやれる』と言ってくれているので、とにかくコースを意識しすぎず、真ん中でもいいから思い切って投げよう、と。最初の頃に比べたら、少しずついい場面での登板が増えたのがうれしいですし、それにはやはり結果が伴わないといけないので」

 続く8回にもマウンドに上がった岩嵜は、内野ゴロと連続三振の三者凡退に抑えて、スアレスへとバトンをつないだ。

「7回終わって『もう1回行くぞ』と言われました。ピンチの場面を抑えた後、次の回に失点するパターンが多いので『さっきのピンチ(の場面)よりもさらに全力で行こう』と思いました」

 これから先の目標について「先のことはあまり考えていない」という。

「どんな場面でも、今は投げることが楽しいんです」。背番号「17」は、これからも自分自身が輝ける場所を求めて、ひたすらマウンドで懸命に腕を振り続ける。

【了】

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura

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