イチロー、敵地3連戦で触れた粋な計らいに「一生忘れない」と感動

金字塔到達に加え、念願のプレーオフ進出も?「この勝利は間違いなく大きい」

 15日(同16日)のシリーズ初戦、場内アナウンスで「代打イチロー」が告げられると、敵地は自然と沸いたスタンディングオベーションに包まれた。そして、メジャー30人目の3000本の金字塔に近づくレジェンドへのファンの喝采の時間を少しでも長くするために、捕手ヤディアー・モリーナはプレートの前のゴミを払うようなしぐさを見せながら、ゆっくりと持ち場に戻った。メジャー屈指の名捕手モリーナが見せた、イチローへの敬意に溢れる粋な計らいは、米メディアからも絶賛された。

 翌16日(日本時間17日)の2戦目も先発アダム・ウェインライトがイチローへの尊敬の念を示した。観客からスタンディングオベーションを受ける背番号「51」のために、あえてプレートを外してマウンド後方に立ち、観衆から惜しみない拍手を引き出した。

 3戦目となるこの日も喝采を浴びたイチローは、ファン、モリーナ、そして相手エースによるスタジアム一体の華麗な演出に胸打たれたようだ。

 この日は4打数3安打1四球1得点の大活躍で、打率は.347に上昇。42歳ベテランの活躍もあり、マーリンズは6-3で勝利し、プレーオフの常連・強豪カージナルとの3連戦で2勝を挙げることができた。

 「この勝利は間違いなく大きいですね。勝ち方、そして試合をどうにひっくり返したか。これから終盤に向けて、こういう厳しい試合を戦わなければいけない。序盤にこういう試合で勝てたことはなかったと思う。こういう形で勝てたことは、自分たちにとって大切な経験になりますよね」

 マーリンズはイチローの奮闘で貯金7とし、好調を維持している。イチローは金字塔の到達に加え、2012年以来のプレーオフ出場という最高のシーズンを送れる可能性も見えてきた。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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