開幕3連勝の侍ジャパンU-15代表に頼れる4番 勝負強い打撃見せる87キロ主砲

2016.7.31

4番の一振りが日本を3連勝に導いた。初戦のオーストラリア戦から「4番・一塁」でフル出場する嘉手苅将太。2試合ともにマルチ安打と好調で迎えた韓国戦で4打数3安打3打点と大暴れだ。

写真提供=Getty Images

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ここまで11打数7安打4打点、チーム牽引する嘉手苅将太

 31日に行われた「第3回 WBSC U-15 ベースボールワールドカップ in いわき」の予選リーグ3日目、韓国戦。4番の一振りが日本を3連勝に導いた。初戦のオーストラリア戦から「4番・一塁」でフル出場する嘉手苅将太。2試合ともにマルチ安打と好調で迎えた韓国戦で4打数3安打3打点と大暴れだ。

 初回の攻撃で4番の働きを見せた。四死球と暴投で1死二、三塁と先制のチャンス。嘉手苅が7球目の外角直球をとらえた。打球は左中間へ飛び、2人が生還。「先制点が欲しい場面。打ててよかった」と納得顔だ。

 4-3の2回には3番・稲生賢二が満塁で走者一掃の適時三塁打を放ったが、嘉手苅はすかさず中前適時打を打ち、稲生をホームに返した。5点を奪った6回にも1死一塁で一二塁間を破る右安を放ち、その後の大量点につなげた。1戦目のオーストラリア戦では1打席目でレフト前にヒットを放ち、先制のホームイン。四球を挟んだ3打席目も左安で2安打をマークした。2戦目も内野安打2本で得点に絡んでいる。

 日本代表の4番に座るが、「気楽にどんどんストライクを振っていって、自分のバッティングをアピールしていきたいと思っている」と話し、ノンプレッシャーだ。それでも、「3番、4番がどっしりしていなかったらチームの攻撃がダメだと思うので、そこは意識している」と自覚は十分。鹿取義隆監督は「ずっと安定していいところで打っている」と話し、「すごく上手になりましたね。追い込まれても逆方向にファウルでき、状況判断ができる。ボールの見極めもが非常に上手くなった」と評価する。

 打席ではセンター方向への打球を意識しながら伸び伸びプレー。180センチ、87キロの体躯でもパワーだけに頼らず、「アウトコースのボールは踏み込んで、インコースのボールは回転で打つようにしている」と、巧みなバットコントロールも見せる。

チームで最重量、そのパワーの源は?

 体重87キロは侍ジャパンU-15代表の中でも最重量。体が大きくなった要因を聞かれた嘉手苅は「小さい頃からよく寝ていたので」と回答。ご飯も朝2杯、夜3杯とよく食べる。好きな食べ物は、母親が北海道出身とあってジンギスカン。パワーの源だ。

 打線だけではなく、試合前にもチームの中心に立つ。各国、試合前にルーティンのような形で“儀式”を行っているが、日本もスポーツ界で取り入れているチームが多い「ラッキーボーイ」で士気を高めている。

 リズム良く手拍子をしながら「ラッキー」を連呼し、「ラッキーボーイ」と唱える。最後は「勝利のためにベストを尽くせ」と叫び、星野恒太朗と宮城大弥の指笛でバックスクリーンに向かって両手を突き出す。その音頭を取り、中心にいるのが嘉手苅だ。

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 動画サイトYouTubeで見つけ、「やったら盛り上がるのではないか」と提案した。「これをしたら勝てるという感じでやっている。大きい声を出すことで緊張せず、リラックスできる」と効果を話す。そのおかげか、日本は3試合とも序盤から得点を重ね、相手に流れを渡さないゲームを続けている。

 ここまで3試合を戦い、11打数7安打4打点。予選リーグも残り2試合で明日はチェコを迎え撃つ。「今まで通り、逆方を意識して、甘く入ったらしっかり自分のスイングをできるようにしたい」。日本の4番のバットはとどまることを知らない。

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