「打席無駄にしない」筒香嘉智の凄さ、歴史的HR量産の要因と3冠王への鍵

打率、打点でも山田に肉薄、3冠王へ鍵となるのは

 ここで気になるのが、筒香がどこまで本数を伸ばせるのか、だ。出場90試合で32本。2.8試合で1本を打つペースで、残り44試合で換算すると47本となる。これは、松井秀喜(当時巨人)が同じプロ7年目に記録した42本を上回る「ゴジラ超え」の数字だ。もっといえば、春先より現在の方が量産ペースが上がっていることを考えると、50本到達も決して非現実的ではなくなってくる。

 しかし、机上の数字だけで話が運ぶはずもないのがプロ野球だ。課題に挙げられるのは、シーズン佳境での攻められ方の変化だろう。

 チームは現在3位。CS進出を争う立場にある。2位・巨人は首位・広島を追いながらも、DeNAとの対決ではCSファーストステージの本拠地開催となる2位を死守することに必死になる。4位以下の阪神、中日、ヤクルトは逆転を目指してDeNAの背中を追う。1勝の価値がさらに重くなり、ひと振りで試合を決める4番との勝負を避けられることが増えるのは間違いない。

 さらに筒香自身もレギュラー定着した14年以降は年間を通して出場した経験がなく、今年も5月に右脇腹の軽度の肉離れで離脱している。肉体的に消耗の激しい8月以降、怪我を防いで調子を落とさず、試合に出続けることも必要になる。

 ホームランだけでなく、打率.333、打点75でリーグトップの山田とはそれぞれ2厘、2打点差で3冠王も射程圏に捉えた。2日からは本拠地に戻り、逆転CSを目指す阪神、中日との6連戦。得意とする横浜スタジアムでどんな活躍を見せるのか、8月も主役となりそうなハマの大砲に注目が集まる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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