U-15W杯がいわき市で開催された意義 侍Jナインが被災地訪問、気持ち新たに

主将の野口「被災した方々に自分たちの全力プレーを見ていただきたい」

 福島県いわき市で開催中の「第3回 WBSC U-15ベースボールワールドカップ in いわき」。日本は予選リーグを5戦無敗で通過し、グループA・1位として、4日からのスーパーラウンドに挑む。試合がなかった3日、日本代表は2011年3月11日の東日本大震災で津波被害を受けたいわき市内の被災地を訪問。目標の世界一に向け、誓いを新たにした。

 訪れたのは、いわき市の薄磯地区だ。ホテルから向かう道中には災害復興住宅が建ち並び、いたるところで復興工事が行われ、バスは砂利道も進んだ。津波による建物被害があり、解体された旧豊間中跡地にバスを停めると、日本代表の選手たちは大会スタッフを務める柳澤潤さんから説明を受けた。

「ここには8メートルの津波が来ました。いわき市では460人の方が亡くなりました。みんなが今、立っているところは工事され、10メートルの高さがありますが、この高さに近い波が壁となって山の方まで行きました」

 柳澤さんの話を真剣な眼差しで聞く選手たち。この薄磯地区は野球が盛んな地域で「海で仕事をする人たちの最大の娯楽が草野球だった」とも語られた。そして、「ここの住んでいた人たちはみんな散り散りになり、豊間中の野球部も無くなりました(休部)。家だけではなく、活力やエネルギーを失っている。被災した人たちを元気にしたいということで、いわき市でこの大会が開かれています」と、いわき市で大会が開催されている意義も話された。

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