自身初5安打に同点弾の広島・菊池、「今は全員で勝つという気持ちだけ」

巨人との直接対決で9回2死からチーム救う一発

 7日の巨人戦で、広島の菊池涼介が5打数5安打の活躍でチームの勝利に貢献した。1点ビハインドの9回には、2死走者なしから起死回生の同点本塁打を放ち、負ければ2位巨人相手に同一カード3タテ、チームは5連敗となる窮地を救った。

 3試合連続1点差負けが濃厚となった9回、巨人の守護神・澤村の初球をフルスイングした打球は、レフトの観客席を越えていった。菊池は、「特に何も考えず、つなごうと思って打席に入った。たまたま芯に当たった」と殊勲の一打を振り返った。

 2位巨人との直接対決は1勝2敗と負け越したが、状況的には大きな1勝となった。「3戦とも厳しい試合だったけど、みんな勝ちたいと思ってやっている。今日はウチの気持ちが勝った」と興奮気味に話した。

 連敗中は「みんな勝ちたいという気持ちが空回りしていたところがあった」という菊池だが、「打者は打っていたし、みんな硬くなっている感じはなかった。ベンチの雰囲気も変わりはない」と、周囲が心配するほどの重圧は感じていないようだ。

 それでも最近の不調には、「悔しい思いをいっぱいしている。それも今の位置にいるからこそ、より一層、その気持ちが強いのだと思う」と、これまで経験したことのない状況の心情も明かした。

 1試合5安打は今季初となるが、「5安打を打ったからというよりは、今は全員で勝つ、という気持ちだけ」とチーム一丸を強調し、「これで来週からまた、自分たちの野球ができるようになれば」と、チームの再加速を誓った。

【了】

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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