イチロー、3000安打達成の会見全文 「これからは感情を少しだけ見せられるように」
「ヒットをがむしゃらに打とうとすることがいけないことなんじゃないかって混乱した時期があった」
――技術の見直しなどということも?
「技術は毎年、特に打つことに関しては変えることはあって、それがうまくいくこともあるし、そうじゃないこともあるし。すごく繊細な技術ですから、打撃というのは。ただ、例えば走ることとか投げることっていうのはわかりやすく計ることができますよね。それを見た時に、例えば走ることとかっていうのは明らかに速くなってしまっているので、その諦めることはできないですよね。これはスピードも落ちてしまったとかっていうのなら、なんとなくそれなりにあの人も時間が経ったんだなとかっていう、それはわからなくもないですけど。残念ながらスピードは上がってしまっているので、打つことだけが能力が落ちるっていうことも考えにくいというふうに僕の中ではつなげていましたけどね」
――肉体的な部分が変わらないとして、年齢を重ねることで精神的な部分と一致することも多くなってくると思うが?
「若くないとは言ってないですけどね。今も」
――その状況が一致してくるということに関してはどう思うか?
「一致してることもあるし、してないことも多いですよ。だってしてないから、こんなに経費を使わせてしまったわけですからね」
――16年間、これだけの変化があった中で、その中でこれだけは変えなかったという軸となるものはなんだったのか?
「ある時から、先ほども言いましたけど、感情を殺すことですね。このことはずっと続けてきたつもりです。今日、達成の瞬間もすごくうれしかったんですけど、途中ヒットをがむしゃらに打とうとすることがいけないことなんじゃないかって僕は混乱した時期があったんですよね。そのことを思うと、今日のこの瞬間、当たり前のことなんですけど、いい結果を出そうとすることがみんなも当たり前のように受け入れてくれていることが、こんなことが特別に感じることはおかしいと思うんですけど、僕はそう思いました」
――しんどいという中で、久しぶりの先発を告げられた時の気持ちは?
「昨日のゲームの直後ですね。伝えられたのは。ただ何番かは伝えられなかったので、そこも教えてよと思いました」
――そのことを伝えられて。
「ひょっとしたら1番じゃないかなって思ってたんですよね。ディートリックが昨日途中で出ましたけど、休んでいたので、ディー(ゴードン)を休ませてひょっとしたら僕が1番、そんな粋なことをやってくれるのかなと思ったら、そうではなくて。まあ粋という概念がないですからね。それはちょっと期待しすぎたということでしょ」