広島の今季最長4連敗を止めたベテラン新井貴浩の一打

9回2死走者なしからのサヨナラ劇、きっかけ作った後輩を称賛

 7日の巨人戦で、広島の新井貴浩がサヨナラ二塁打を放ち、チームの連敗を4で止めた。負ければ2位巨人に本拠地で3連敗、さらにゲーム差が3.5となる窮地を救った新井は、「本当に、チーム一丸となった勝利だったと思う」と満足そうだった。

 9回2死走者なしからの、劇的なサヨナラ劇だった。新井は「キク(菊池)のホームランで流れが来た。それから丸が四球で繋いで、どんどん攻めていこうと思った」と、起死回生の一発からサヨナラ劇のきっかけを作った後輩を褒めた。

 前の2打席では、いずれも内野ゴロで打点を挙げていた。「タクローさん(石井琢朗コーチ)からチャンスの時は、どういう形でも1点を取ろう、と言われている。自分としてはヒットで返したかったけど、とにかく1点は入ったと、自分に言い聞かせた」と、それまでの打撃内容に納得はしていなかったことを明かした。

 サヨナラが決まった後、チームメイトから祝福の水をかけられた。自分よりも一回り以上離れた後輩からの手荒な祝福だったが、「盛り上がるなら、何でもいいです。ただ、(鈴木)誠也のニヤけた顔が見えた時は、少しイラっときたかな」と周囲を笑わせた。

 チームは4連敗中だったが、「余計なことは考えず、いつも通りやっていた」というベテランは、「昨日も一昨日も、みんな最後まで諦めずにやっていた。その気持ちが今日の勝ちにつながった」と胸を張り、「これからも全員で一丸になってやっていく」と、同じ言葉を何度も口にしていた。

【了】

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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