【高校野球】鳴門の積極性を“消した”明徳義塾バッテリー 試合運びの上手さ光り4強へ

準決勝では152キロ右腕の今井擁する作新学院と対戦へ

 ストレートは、両サイドだけではなく、低めや高めのつり球を使い分け、攻めが偏らないように工夫。そして、変化球は100キロ台のカーブ、110キロ台のスライダーの割合を増やして、狙い球を絞らせなかった。

 カーブ、スライダーの精度は抜群。カーブはブレーキが利いていてタイミングが取りにくく、スライダーは打者の手元で急激に落ちた。鳴門打線は中野の変化球に対応できず、これまで見えていた積極性が明徳義塾バッテリーの配球によって消えた。

 鳴門は出塁すれば足で崩そうと仕掛けるも、捕手の古賀が1回裏、8回裏に2度の盗塁阻止。鳴門の流れを止めた。

 まさにのらりくらりと交わす投球。今大会は140キロ後半を計測する投手も多い。だが、それができるのは限られた投手だけだ。球速はウリではないものの、中野が見せた投球と古賀のリードは、多くの高校生投手にとって参考になるものだった。

 そして堅い内野・外野の守備を誇り、まさに隙のないチームに仕上がった明徳義塾。次戦の相手は最速152キロ右腕・今井達也擁する作新学院。打線も強力なこのチームに対し、どんな戦いぶりを見せるのか、注目が集まる。

(記事提供:高校野球ドットコム)

【了】

河嶋宗一●文

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http://www.hb-nippon.com/report/1595-hb-nippon-game2016/15304-20160818002>

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