【高校野球】決勝進出の古豪・北海 昨夏初戦の惨敗から何をした?

昨夏の初戦で鹿児島実業に大敗した北海、平川監督が感じた敗因とは

 北海がエースで主将の大西の力投や打線のつながりで初優勝まであと1歩のところまで来た。うだるような暑さの中、選手たちは勝ち方を覚え、20日の準決勝では強豪の秀岳館(熊本)を4-3で撃破。北の大地はもう大盛り上がりだ。

 北海は最多37度目の夏の甲子園に出場。準決勝進出は88年ぶりだった。最高成績は88年前の1928年で、旧制北海中以来の4強。1998年に監督に就任した平川敦監督は就任2年目の99年に甲子園に出場したが、未勝利。そこから9年も甲子園には出られなかった。「我慢の時間が長かったです」と振り返る指揮官。同校が今大会で挙げた夏の勝利は、実に22年ぶりのことだった。

 ここまで大活躍の大西は昨夏の甲子園、リリーフで登板している。独特な雰囲気がある開幕戦だった。大西は鹿児島実業相手に1死も取れずに3失点で降板。チームも4-18の大敗を喫した。苦い記憶と暑さで倒れそうだったことが頭に残っている。1年後、チームは決勝を戦うまでに成長した。躍進の一つに暑さ対策があった。

 平川監督は昨年の大会に関して選手たちが35度を超える暑さに負けた部分が大きいと分析。甲子園出場が決まると、室内練習場に暖房をかけ始めた。設定温度は40度。その中で約2時間、ウエートトレなどをさせた。だが、体調を崩しては元も子もない。監督はもちろん、生徒たちも互いを注視しながら、練習をした。選手が「シャツをしぼると大量の汗が出た」、「甲子園の方が涼しく感じる」と話すほどの熱気だったという。

 それでは今の選手たちはどうか。「もう甲子園に来て時間が(約3週間)経ったので慣れましたね」。順応した体で本来のパフォーマンスが出せるようになってきた。甲子園の勝ち方を学んだ北海。21日は作新学院(栃木)との決勝戦に挑む。深紅の大優勝旗を手にするには果たしてどちらだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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