山崎武司氏が見る燕・山田の本当の凄さ HR打者との「決定的な違い」とは

小柄な体型を補うスイング、「バッティング技術がめちゃくちゃ高い」

「一番はバットのスイングの軌道が大きいよね。(打球が)飛ぶということは、普通のバッターよりも振る軌道が大きいというのが一番。もう1つ、俺とか中村剛也(西武)みたいなホームランバッターと言われる選手との決定的な違いは、確率が高いということ。ヒットとか、ボールの芯に当てて打つ確率が高い。例えば、中村とか外国人バッターは打ち損じでもホームランにしなきゃいけないんだけど、哲人の場合は打ち損じのホームランじゃなくて、自分の形、ナイスバッティングでホームランにするのが強み。どんな形でもね。イコール、バッティング技術がめちゃくちゃ高い。

 簡単に言ったら、俺が現役の時には、打撃練習で柵越えをポンポン打てていた。哲人はあれを試合でやっちゃう。『あ!』とか『抜けた!』とかじゃなくて、自分のバッティング練習でポンポン打っている感覚が(試合でも)常にあるってことだね。普通は、試合になったらああいう(打撃練習のような)バッティングをなかなかさせてもらえない。でも、哲人はあのバッテイングをやれる確率が高い。イコール、技術が半端じゃない」

 山田はプロ野球選手として決して体が大きい方ではない。身長180センチはプロでは平均的で、体重76キロも細身と言える体型だ。ただ、打球の飛距離は他の打者を圧倒している。昨年11月の世界野球「プレミア12」でチームメートとして戦ったソフトバンクの松田宣浩は、「本当に腕が細いんですよ。そんなんで打てるのって言うくらいの体なんですよ。『腕細いやん、テツ』とかいうけど、飛ばすので、体のキレと身体能力が凄いんだなと思って」と感心していたことがある。

 そんな体型を補っているのはスイングの軌道の大きさだと、山崎氏は分析する。そこに、打球を芯で捉える技術の高さが融合しているという。

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