【U-18アジア選手権】日本のアジア制覇を支えたもう1人のMVP “笑顔”の大魔神・堀瑞輝

「自分が思っていた以上」得意のスライダーに苦戦する打者に深めた自信

 広島新庄では先発投手。慣れないリリーフ起用が続く代表戦では、走者を背負うシビれる場面に投入されることもある。それでも「絶対に(点を)取られないという気持ちは先発と一緒」と動じず。自慢のスライダーを軸に捕手・九鬼隆平(秀岳館)のミットを目掛けて、スイスイとボールを投げ込んだ。ファーストラウンドに続いて2度目の対戦となるチャイニーズ・タイペイ打線は、当然堀のスライダーを警戒したが対応できず。9回、最後の打者ヤンを見逃し三振に仕留めると、マウンド上の堀は小さく飛び跳ねながら、勝利の喜びを表した。

 前日の韓国戦でも、値千金の救援をした。3-1の8回裏2死一、三塁。一発を浴びれば逆転という場面でマウンドに上がると、途中出場した韓国の3番ナをスライダーで空振り三振に斬った。国際大会という大舞台で、自信を持って投げ込んだスライダー。「自分が思っていた以上」に苦戦する海外の打者の反応を目の当たりにし、「うれしい。もっと自信になりました」と大きくうなずく。

 マウンド上では躍動感ある投球フォームで強気なピッチングを繰り返すが、マウンドを降りると、まるで別人のように物腰も口調も穏やかだ。「自分は静かな方なんで、普通。野球の時は、すごく気合を入れます」と照れくさそうに話すが、精神面でのスイッチの切り替えは見事。それでも、最初から気持ちの切り替えがうまくいったわけではない。「高校に入ってから、Aチームでたくさん投げさせてもらった。その中で切り替えが大切だと思うようになりました」。切り替えができずに失敗した経験を踏まえ、今では「マウンド上に立つ時は『自分が絶対に抑える』と思ってやっています」と、常に強気でボールを握る。

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