「おかわり」に憧れる「おかわり二世」 3年目台頭の裏に“違い”の発見

フォーム「そっくり」も首脳陣の評価は真逆、「2人は全く違う」

 1年目の経験を踏まえ、さらなる飛躍が期待された2年目の昨季だったが、開幕1軍入りを果たしたものの、出場機会は一度もなく、わずか1週間で降格。さらに2軍戦でも打撃不振に陥り、再び1軍昇格したのは9月26日で、結局、シーズン通して1試合1打席1安打のみという成績に終わった。

 そして迎えた3年目の今季。オープン戦から打率.313、本塁打4本とアピールに成功し、開幕から4試合連続でスタメンを勝ち取ったが、無安打に終わり、昨季に続いて1週間で登録抹消と、再び1軍の厳しい壁に遭遇する。だが、その後が彼の成長だった。宮地克彦2軍打撃兼守備走塁コーチから「ファームにいる以上、図抜けた数字を残せ」と課せられると、7月30日に1軍昇格するまでに打率.333、打点64、本塁打22本と、圧倒的な成績で見事に応えてみせる。

 主砲・中村の代わりとして満を持して1軍へと召集されると、その日から2試合連続本塁打。さらに8月19日、21日には2打席連続本塁打を放つなど、『おかわり二世』の名に相応しい活躍を見せた。

 過去2シーズンに比べ、結果が出るようになったポイントは、前述の通り「相手投手にも、雰囲気にも、『慣れてきた』というのは絶対にある」と、本人も認める。それと同時に、さらに大きな要因として挙げるのが、「打撃フォームの変化」だという。

 常に“中村剛也の打撃”を身につけることだけを求め、研究し、プロ入りするにまで至った。周囲からも「そっくり」と認められた。だが、田邊徳雄監督、宮地コーチなど、プロの目から見れば評価は真逆。両者とも入団直後から、「中村は下半身、山川は上半身を使った打撃。フォームは似ていても、2人は全く違う」と分析していた。また、中村も以前、「山川は、上半身の力が強い。もっと下半身を上手く使えるようになったら、さらに飛距離が伸びると思います」と、自分との身体の使い方の違いを話していたことがある。

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