埼玉西武ライオンズが取り組む車椅子ソフトボールの普及・支援活動

車椅子ソフトボールが目指すのは、パラリンピックの正式種目

 第2回となった今回は、昨年よりも2チーム増え6チームが出場。昨年はTOKYO LEGEND FELLOWSのメンバーとして出場した鷲谷修也氏は、上智ホイールイーグルスを結成して今大会に挑んだ。「健常者、障がい者、女性がいる中で、どう戦略を組んでいくか考えるのは面白いです。例えば、投げにくい体勢だったら投げやすい選手を探して、その選手にパスして送球する。そんな連係プレーは奥深さを感じます。昨年と違うチームで参加して、改めて魅力的なスポーツだと思いますし、少しずつ輪が広がっていければ良いですよね」。車椅子ソフトボールの魅力について、鷲谷氏はこう答える。

 大会は埼玉A.S.ライオンズがTOKYO LEGEND FELLOWSを下し、2連覇を達成した。優勝したA.S.ライオンズは、元横浜、オリックスの古木克明氏がチームの一員として出場。現役時代をほうふつとさせる豪快なバッティングを見せていた。また、本大会が行われる一方で、一般の方を対象にした体験会も開催。競技用の車椅子を操るところから始まり、キャッチボールやミニゲームを行い、参加者は笑顔で車椅子ソフトボールを楽しんでいた。

 4年後の2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催される。目指すのは車椅子ソフトボールがパラリンピックの正式種目となることだ。市川氏は埼玉西武の果たすべき役割について語る。

「球団として取り組みたいのは、障がい者でも野球・ソフトボールができるきっかけを作っていきたい。2020年の東京オリンピックだけでなく、パラリンピックにも目を向けていることを、プロ野球チームとして強く意識していきたいですね。現在、埼玉西武の他に北海道日本ハムが車椅子ソフトボールの支援活動を行っています。現在は埼玉西武だけですが、将来的にはNPBの12球団がそれぞれ車椅子ソフトボールチームを持って、大会が行われるのが理想です」。

 プロ野球チームが社会に果たすべき役割とは…。埼玉西武が取り組む野球振興活動は、その一翼を担っている。今後の車椅子ソフトボールへの普及・支援活動にこれからも注目していきたい。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

「パ・リーグ インサイト」武山智史●文

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