日本とメジャーで送り出し方に違い 引退試合に見られるリスペクトの形

シーズンオフに引退となっても、翌シーズンに引退セレモニーを開催するケースも

 開幕前に引退表明をできるということは、オルティスやリベラ、そしてデレク・ジーターのようなスーパースターの“特権”と言えるかもしれない。スーパースターたちにとっては、まだ現役1年を残して引退を表明するのは大変難しい決断であるはずだ。体が動かなくなるまで現役にこだわる選手も多いが、戦力的には厳しい立場へ追い込まれる場合もある。

 これとは対照的にシーズン中には引退を表明せず、シーズンオフを迎えてしまう場合もある。チームの来季以降の戦力として構想に入らずにFAのまま引退してしまう選手もこれまで多数存在している。だがそういったケースでも、チームの功労者である選手には1日契約をして翌シーズンに引退セレモニーを開催する。ヤンキースでプレーした松井秀喜氏もその1人だ。

 メジャーリーグでは最後の1試合にも価値を持たせようと、ワイルドカード枠も近年は2つに増え、今年の順位表を見ても分かるように本当に最後まで目の離せない戦いが多い。もちろん争いに加わっていないチームもあるが、手を抜かずに最後まで全力で戦うことがリーグに対するリスペクトでもある。

 長年ライバルとして戦ってきた相手でも、最後はリスペクトを込めてみんながそのキャリアを称える風潮がある。それでも試合が始まれば真剣勝負そのもので、試合前はいつもと違った”引退試合”を匂わす空気は流れるかもしれないが、1打席、1球の引退試合という日本流のものは少ない。

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